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関ヶ原から見た地域振興のヒント

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誰もが知っている天下分け目の古戦場


皆さんは関ヶ原をご存知でしょうか?
歴史が苦手な方でも関ケ原の戦いと言うことで聞いたことはあるかと思います。

ではその関ヶ原に行ったことはありますか?

誰しもが聞いたことがある地名、そして歴史の地なのに行ったことがない人が多い地…関ヶ原。
この地から地域振興のヒントを探っていきたいと思います。


現在の関ヶ原

岐阜県関ケ原町として7000人程が暮らす長閑な町。
それが現在の関ヶ原です。

関ヶ原町の田園風景

東京から電車で約3時間、大阪からは約1時間30分。
車では東京から約5時間、大阪から約2時間で到着します。
駅前には観光案内所があり4月~11月は無休で9時~14時の間営業。11月〜3月は毎週火曜日・祝祭日の翌日休業しています。(年末年始はご確認ください)
施設としては 関ケ原町歴史民俗資料館などがあり、要予約でせきがはら史跡ガイドさんが有料で団体を案内してくれます。
関ヶ原の戦いの多くの史跡がある他、壬申の乱の史跡やその他の史跡、鍾乳洞などのレジャーもある町です。

一見すると長閑な観光地なのですが、行ってみると知名度とのギャップに驚きます。NHK大河ドラマ真田丸のブームなどにより歴女や高齢者の観光客は見かけるのですが、閑散とした印象を受けて寂れた観光地に感じてしまいました。


観光地としての関ヶ原

適度に歴女・家族連れ・高齢者団体・外国人がいる関ヶ原。
2018年の時点で観光地としてネームバリューを活かせていないと言える場所だと思います。ここには日本の観光地として考えるものが詰まっているように感じます。

魅力として足りないものは何か?

メインディッシュ

いくつもの足りない物が重なって観光地としての魅力不足になっています。
まずひとつは「メインディッシュ」です。「関ヶ原の戦い」と言う事がメインディッシュのように感じますがそうではありません。
フランスに観光に行くならどこに行くでしょうか?「エッフェル塔」「ベルサイユ宮殿」「ルーブル美術館」「ノートルダム大聖堂」と様々な行きたい場所が浮かびます。
では関ヶ原ではどうでしょうか?好きな武将の陣跡…の周辺から巡るか!それか西軍東軍の本陣!となると思います。関ヶ原の駅を降りた時に「どこ行ったらいいのだろう…」と不安に感じる方もいると思います。
観光客の思考に任せていて「関ヶ原と言えばまずはこれを見なくては!」と言った「観光地」が足りていないのです。これは活気の少ない日本の地方観光地に共通して言えることだと思います。
観光案内にあるコースなどではない「人を惹きつける戦略的情報」をホスト側が作らなくてはならないと言うことです。
観光地は観光客を躍らせて楽しませることで活気が出るのです。そのためのテーマパーク化が大切ですね。

交通

関ヶ原は電車が通っていて町までは観光地として悪くありませんでした。
しかし合戦がおこなわれた程の広さのある地…。史跡を歩いて回るには遠い!
そのためにレンタサイクルがあるのですが、気が付かない高齢者の方々もいらっしゃいました。乗っている人を見て「自転車借りられるらしいよ!」と言う会話が耳に入ってくるくらいでした。
ここでも「関ヶ原は自転車で巡る場所!」と言う強い情報操作がストレスのない観光地にするために必要と感じました。

一方、自動車で来た観光客はどうでしょうか?
陣から陣は歩くには微妙に距離があり、車移動は良いように感じました。大半の場所には駐車場もあり駐車場が埋まっていても滞在時間が短いため、すぐに空き良い感じでした。
しかしマニアックな場所になればなるほど細い道を進むことになったり、周りが民家の為に駐車場が無かったり不便を感じてきます。ここでも出てくるのが「情報の不足」です。
ここの駐車場に止めたらどの史跡を周ると良い、あの駐車場に止めたらあの史跡とあの史跡まで回ると良い。少し遠いけれどもあの史跡はここから歩くと良い。
と言った観光客コントロールの必要性を感じました。

食事・休憩所

地元の方も嘆いていましたが、関ヶ原はウリにする食べ物がないとおっしゃっていました。それ自体よりも食事処に困ってしまう方が問題でした。
これは民間経営の問題でもあるので強制的に解決することは難しいかと思います。現状ある食事処を高齢者である観光客が迷ってしまっていたのでここでも情報が大切に感じました。

食事よりも大切なところが休憩所です。
先に述べたように関ヶ原は広いです。天下分け目の合戦がおこなわれたにしては狭く感じますが、歩いて回るには広いです。日光が出ている中歩き回るのは非常に辛いです。水路脇や史跡の石段に腰を掛ける方々も多くいました。
休憩所はただ休む場所と思われがちですがそうではありません。休む人間を各所に集めることによって会話や情報交換、そしてそれが活気に繋がります。
意図的に活気を作り出す場所が休憩所なのです。
近年では少しオシャレなお店が出来てきているようですが、地域の協力でより後押しすることがより必要ではないでしょうか。

お土産

関ヶ原土産…これも現地の方は量産するのは大変で…と言っていたのですが、最近は色々出てきましたね。
個人的には「関ヶ原せんべい」が好きでした。ただ堅い四つ折りの美味しいせんべい?です。その他にも「石田光成の毒」と言った柿ゼリーなど色々あり関ヶ原に行ったことで話題にできたりネタに出来るお土産と言うものはとても良いですね。行ったことのない方も記憶に残るお土産をもらうことで観光地として立派なのかな?行ってみたいな!と刷り込まれることになり宣伝効果として大きな役割があります。


徐々に観光地化している町

逆に言うと整ってくれば凄い可能性を持った町とも言えます。地元の方の頑張りで徐々に観光地として整備されてこなれてきています。
優しく温かい人柄の方が多く、押し付けや情報操作などは不得意なのかもしれません。
今まで有名史跡はあるけれども、適度に人が来る町としてやってきたのかもしれません。
「観光地として観光客を操る」そして小出しではない「絶対的な情報源」その重要性の見える町です。


しかし観光地化が良いわけではない

観光地としての可能性ばかり述べてきましたが、歴史的に有名な地だからと言って観光地として活発である必要はありません。
それは「この町全体が史跡」なのではなく「人が住む町」だからです。
実際この町には、観光地として盛り上げたい人がいる一方、観光とは全く無関係の仕事をして暮らしている人々が多くいます。
その方々からしたら観光客はゴミや交通の邪魔になる邪魔者でしかありません。
実際関ヶ原町でもそう言った考え方の違いがあるのだと教えてくれました。

何が問題か?

観光地化したくない方々が居るのでは観光地化しなくても良いではないか?何が問題なのか?と言うと高齢化です。
現在日本の多くの地で見られる問題である高齢化。働き手が減り体力を使う一次産業は減っていくことは税収以上に問題です。
土地が荒れ、活気がなくなり町自体が死んでしまいます。
それは観光地化反対の方も賛成の方も誰も望んでいないでしょう。

共存することの大切さ

人が暮らす町と観光地としての町の共存は可能なのか?
それは可能です。
しかし全く変化しない共存はありません。
観光客が増えれば町自体は変化していかなければなりません。
ハワイの様に完全観光地化してしまうのか?
関ケ原の戦場を思い起こさせるような再現のような地にしてゆくのか?
現状とあまり変わらないのに各所に観光客の集まる活気ある小さな施設のある地にするのか?
それはその地の方々の舵の取り方次第でどうにでもなります。
人が多くなれば問題が起きます。それをコントロールすることが観光地としての腕の見せどころです。
現在進行形で変化している町、関ヶ原町。
日本の観光と共存の地域振興として注視する価値のある町ではないでしょうか。

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